医療の現場から Vol.5
性感染症について
  最近、未成年女性に性感染症の増加(グラフ1 参照)がみられます。主にクラミジア感染症が多く(グラフ2 参照)、無症状の場合もありますが、多くは下腹痛、帯下の増加等です。

グラフ1  性器クラミジア感染症(女性)定点当たり報告数年次推移
(厚生労働省 感染症発生動向調査 2001年)

グラフ2  性感染症報告の年次推移
(厚生労働省 感染症発生動向調査 2001年)
  検査は簡単にでき、陽性の場合、抗生物質の経口投与でほとんど完治します。まれに再感染もありますが、完治したかどうかの検査も簡単にできます。放置しておくと腹腔内の癒着により不妊症になったり、まれに肝臓の障害も起こしたりします。その他性感染症は数多くあり、いろいろな症状が出現します。
 厚生労働省による母体保護統計では、未成年女性の人工妊娠中絶が、6年間連続で前年を上回っています。その裏付けかのごとく発表される20歳未満の性交経験者の急増や性感染症の拡大、やがて結婚、妊娠、出産を現実の問題として捉えるようになって初めて、性感染症の恐ろしさを知ります。また、その子どもへの感染(母児感染)も重要な問題です。
 平成11年4月から「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症新法)が施行されました。性感染症は、重要な感染症であるという認識からインフルエンザ、エイズと並んで別に予防指針を作る対象となり、平成12年2月に「性感染症に関する特定感染症予防指針」が制定され、数多くある性感染症の中から障害の比較的大きい五疾患が選ばれました。
予防指針における性感染症の定義
  1. 性器クラミジア感染症
  2. 性器ヘルペスウイルス感染症
  3. 尖形コンジローマ
  4. 梅毒
  5. 淋菌感染症
  いずれにせよ、各個人が正しい知識を身に付け、予防していくことが大切だと思われます。
(文/遠藤俊男) 


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